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這管美術は街の歴史だ

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 新築時は小奇麗にまとまっている。ちょっとアバウトでも、お隣りのビルに隠れて見えないような場所にまとめる。でもひとたび追加や修理が始まると、配管は常に付けやすさを優先させてしまう。同じ追加でも丸見えになる場合は、それなりに気を使うけど、外から見えなければ「まぁいいじゃん」主義になる。エアコンや排気口やガス水道に電気の配線、前の仕事が「まぁいいじゃん」だったら、「そんじゃオイラも」となるのは人情。その結果、美しいアート作品が出来上がるのだ。
 見られることを前提としない、最短距離と力技でこしらえた配管は、その建物の歴史でもある。材質も疲労度もまちまちな大小無数の管が織り成す美しさは、ある日突然、僕らの目の前に現れる。年季の入った壁面を這い回る管の意図せぬ美が、僕らに果てしない想像力を沸き立たせるのだ。

by go-go-shiosenbe | 2011-05-16 15:33 | 拠ん所なく歩く日々

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