2014年 10月 24日
東京少年の笑顔が並ぶギャラリー〜安西水丸展
笑っていない水丸さんを見たことがなかった。いつもニコニコして、ふわ〜っと歩いていた。ヨレヨレのシャツ、ジャケットに埃や毛玉があっても気にしない、そして笑顔、どこで会っても同じ。もちろん僕は別に親しい訳じゃない。僕の大学の大先輩が水丸さんと仲良しで、そんな関係で会えただけ。でもあの笑顔とスタイルを見たら、そりゃファンになっちゃうよなぁ…。
銀座クリエイションギャラリーG8で、安西水丸展を見た。優しい線、さっぱりした構図、そしてパントーンカラー…お約束の作品がギャラリーにズラリと並んでいる。大好きだったスノードーム、カレーライスの作品も一杯だ。ペンギンもあちこちにいる。
子供の頃の絵もあるんだ。人体図や骨格図まで描いてるんだ。ガロやビックリハウス時代の漫画とか、本の装丁とかも。懐かしい絵や僕が知らない水丸ワールドも一杯。
いつものイラストをこうして沢山眺めてたら、あぁ俳句みたいだなぁって思った。言いたいことを全部は言わないで、ポンポンポンて並べちゃう、静物画みたいに。それと、東京の山の手の子、もっと言えば坊っちゃんだなぁって。きっと怒れば恐かったろうし、そりゃ色んな感情はあっただろうけど、僕らの前では出さない。いつもニコニコ…。
明るく優しく上品で程が良い、自然体、そしてユーモア…作品に溢れる空気は、そのまま水丸さんそのものなんだ。
by go-go-shiosenbe | 2014-10-24 13:11 | 拠ん所なく歩く日々