2018年 06月 25日
南大塚萬重宝アーカイブ・2003年6月号
*****ミナミオオツカヨロズチョウホウ*****
*******南大塚萬重宝***2003年6月1日号***
ヘッドラインニュース
べらぼうに中華屋の多い大塚にあって、トップクラスの味を誇る『安利餐』が、店内改装を終え、リニューアルオープンした。ここの切り干し大根入りの卵焼き、牡蠣ピザ、マコモの炒め物は絶品だ。お店の人もみんな親切で、注文するたびに「ありがとうございます!」と言う立派な店だ。
その安利餐のすぐ近くにあるジーンズショップ『摩耶』も、仲良く新装開店した。この店も、よく考えると大塚では古株だ。なにしろ第一期ベルボトムブーム時代には、もう店があったのだ。その頃からいる小柄な主人は、いつの間にか白髪混じりの茶髪になっている。
大塚の活字文化の誇り、『散歩の達人』編集部は、大塚唯一のデパートが入っていた由緒正しいビルにあった。古めかしいエレベーターと、妙に天井が高い室内。この編集部のあるフロアだけが、不夜城の如く皎々と電気が点いていた。しかし編集部は四谷へと引っ越していった。さらば散達!
東京洋食界の雄・キッチン・ゴトーの出店『カフェ・ゴトー』は、日曜日がお休みなので、優雅な休日ティータイムが出来ない。日曜の11時頃こそ、ボリュームあるコロッケパンでブランチしたいものだ。
今日の大塚
都電の線路を越えたすぐのところに、暁不動産がある。えっ、この人が不動産屋さんなのという感じの、なかなかに格好いい茶髪のお兄さんがいる店だ。ここに昔、ラブという名の犬が飼われていた。何か固有種の血が混ざっていたのかも知れないが、傍目には典型的な雑種に見える白い犬だった。
ラブちゃんは吠えない噛まない走らない、温厚そのものの犬だ。ご近所の人々に「ラブちゃん」と声を掛けられれば、ゆっさゆっさと大きな尻尾を振り、悠然と歩くのだ。そう、ラブちゃんはお散歩犬だった。
近頃は放し飼いの犬を、めっきり見なくなった。飼い主の傍をちょこまか歩く小型犬は今でも時折いるが、中型以上の犬で、しかも単独で徘徊しているのには、滅多に出会わない。万が一の事故を、飼い主も通行人も警戒するからだ。
しかしラブちゃんはご近所のアイドルだった。フラリとお店に入ってきて、そのまま寝っ転がって休憩のポーズなんてこともしばしば。子供に触られようと、全く意に介さない。多分、背中に「ご用命は暁不動産まで」という張り紙をつけても、嫌がらずに散歩しただろう。
従って都電の線路を横切る時も泰然自若としているので、運転士は、しばしばそのスピードを必要以上に押さえなければならなかった。だからといってクラクションを鳴らすのを聞いた覚えも殆どないから、「大塚の広い踏切には、昼間、暢気に横断する犬がいるから気を付けるように」という連絡事項が伝わっていたのかも知れない。
ある時から急にラブちゃんの姿が見られなくなった。家人やご近所に聞いても知らないと言う。数日後、暁不動産のおばさんを見つけて「最近、ラブちゃんを見ないんですけど」と尋ねた途端、おばさんは目を真っ赤にして「死んじゃったのよ」と小さな声で言った。その後大塚に、放し飼いの犬はいない。
編集後記
大塚周辺のマンション建設ラッシュは、止まることを知りません。10数戸の小さなものから100戸以上の大型物件。果ては30階に届かんとする高層マンションまで、あちこちで緩い地盤を掘り返しています。週末の新聞の折り込み広告の量も、日増しに多くなっているようで、いかにも完成間近を装い、「早く買いましょう」と煽ります。まだ更地同然のマンションもあるというのに・・・
#####ミナミオオツカ・ヨロズチョウホウ#####
誇張スレドモ嘘ハツカナイ
変酋長・タカノヒロシ AB型 六白金星
###愛ノ町、大塚ノ今日ヲ貴方ニダケ伝エル###
by go-go-shiosenbe | 2018-06-25 17:07