2018年 07月 07日
南大塚萬重宝アーカイブ・2004年11月号
*****ミナミオオツカヨロズチョウホウ*****
*******南大塚萬重宝***2004年11月1日号***
ヘッドラインニュース
遂に南口交番が完成した。駅前が田舎臭い大塚に相応しく、白亜の殿堂である。懸念していたガード寄生方式は採用せず、建物は2メートルほどガードから離れている。竣工記念パーティーが行われた様子はない。そう言えば地鎮祭や建前もしなかったような気がする。従って屋根から餅を撒くこともせず、お巡りさんも新居の喜びを表すこともないのが残念だ。
奥田民生が大塚に住んでいたという情報を知人より貰った。南大塚の銭湯『玉の湯』の常連だったそうだ。演歌歌手が住んでいたというならさもありなんと思うが、この手のアーチストがいたとは、たとえ無名時代だったとしても、ちょっとした驚きである。彼クラスがいたのなら、案外他にも大塚住経験のある歌手がいるかも知れない。まぁ自称歌手は、ドッサリいそうな気がするが・・・
かつての都電車庫の跡地には大きなアパートが建っている。この1階にいる手芸洋品店『フランスヤ』が、閉店することになった。小さな店だが商品は充実していて、そこにいる2人のおじさんは、まさに手芸のオーソリティーであった。買い物に来た人々に、即席教室の如く教える姿を、よく見かけたものだ。この閉店で、大塚に手芸洋品店は無くなった。
居酒屋の名店『串駒』の向かい側に出来た『串駒房』は、串駒流おでん屋である。四角いおでん鍋の前には、時代劇に出てくる占い師のような主人が陣取り、どんな種にも一手間かけて供する料理は、おでんというより汁沢山の煮物の趣がある。通常の種以外にも、セロリやトマト等の野菜も充実。勿論日本酒の品揃えと、客の希望に的確に応える選択眼も冴え渡る。
大塚野生の王国物語
昼夜の分かち無く行き交う車と、終電に乗り遅れても、3時間も待てば始発が来るというワーカホリックの山手線。見渡しても緑無く、咲き誇るのは風俗店と飲み屋のけばけばしいネオンばかりという、清々しいほど殺伐とした大塚。ここにも野生生物が生息する。
町の王者はカラスだ。有り余る生ゴミ、しかもマナー無用の場所には、車や人が近づこうとお構いなしに居座っている。犬のように「ワンワン」鳴くもの、「ガーガー」アヒル鳴きするものもいる。中には「カッカッカッカッ」と東野英治郎演ずる水戸黄門の笑い声かと思うように鳴く強者もいる。
カラスが少ない日はハトが増える。主に南口駅前が縄張りだ。「餌をやらないでください」という看板の真ん前で、おばあさんが大量にパン屑を撒く。広場にいない場合は、頭上を這う電線に数十羽がとまっている。カラスにつつかれるのと、ハトのフン攻撃に遭うのとどちらがましか、一考すべき問題だ。
ときおり「ギャーギャー」と鳴いて飛び立つのはヒヨドリである。夕暮れ時などには聞きたくない不気味な声だ。その点スズメの鳴き声は可愛げがあるが、以前ヘッドラインで述べた如く、一本の街路樹に鈴なりになって鳴き叫ぶ音量は凄まじいものがある。
かつては野良猫が沢山いた。『角海老ボクシングジム』の向かいにある駐車場だけでも、十数匹の猫が日向ぼっこをしていたものである。駐車中のボンネットは猫の足跡だらけなんて時代があったが、今は勢力が衰退している。その一方で哺乳類の頂点に君臨するのはネズミだ。10階建てのマンションも平気で登り、ちょっと開けておいた部屋の引き出しをかき回されたという話も聞いている。ケース単位で粘着式ネズミ取りを買う店もあるという。飲食店の町の宿命だろうか?
トカゲはもう三十年以上見かけないが、木造アパートの外壁にへばりつくヤモリを時折目撃する。この先の野生生物は、昆虫世界に突入せざるを得ない。もっとも野生の欲望剥き出しのオヤジは四六時中発生する大塚である。
編集後記
ヘッドラインでお話ししたフランスヤのある公団アパートに併設されている南大塚ホールでは、豊島区在住芸人さんが出演する落語会が定期的に催されます。当月18日の回は、あの川柳川柳師匠(雑司ヶ谷在住)がトリを勤めます。70歳を越えてなおアナーキーでトリッキーな大酒飲みの師匠と、とある理由で夜明けまでご一緒したことがあります。噺家さん3人と新宿で飲んでいて、深夜2時に師匠が「俺はクッパが食べたい」と言い出して、池袋の怪しい焼き肉屋へ行きました。翌日、二日酔いを微塵にも感じさせない完璧に素面の声で電話がありました。「昨日、帽子を無くしちゃったんだけど、覚えているかなぁ?」そりゃ無理ですよ師匠。そうじゃなくても緊張して明け方を迎えたのに、帽子までは気が付きません。そういえばあの帽子、見つかったのでしょうか?
#####ミナミオオツカ・ヨロズチョウホウ#####
誇張スレドモ嘘ハツカナイ
変酋長・タカノヒロシ AB型 六白金星
###愛ノ町、大塚ノ今日ヲ貴方ニダケ伝エル###
by go-go-shiosenbe | 2018-07-07 15:24 | 南大塚萬重宝