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その22 浅草の巻 2001年3月

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某月某日某曜日 はれ

 今日は正義の味方に挨拶でもしようかと、またまた浅草にやって来ました。この人にはテレビでいつもヒヤヒヤさせられたものです。もうねぇ、始めっから奥の手を使ってくれないもんだから、今日こそ負けちゃうんじゃないか?来週は大丈夫か?って気を揉んで応援しましたよぉ。
 でもそれが「芸」の基本です。悪役とはいえ相手も同じ舞台に上っているんですから、見せ場を作ってやり、得意技をやらせてあげる。戦いに物語があってこそ、それが伝説になるんです。技の応酬の中に心の葛藤を表現するとでもいうのですかね、エッヘン、何か高級な感じがしませんかねぇ。どことなくプロレスの匂いがするようなしないような・・・与えられた時間内で勝ったり負けたりしながら徐々に結末を迎え、起承転結をしっかり考えた憎い芸人! 
 だからでしょうか、ここは浅草の六区と呼ばれる場所。昔は映画館、芝居小屋、寄席等がひしめいた東京一の娯楽街だったんです。いわば芸のメッカ。今でも映画館と寄席は残っていますが、写真で見る昔の賑やかさは、残念ながらありません。だけど寄席には落語家さんの名前が入った幟がはたはたと風にゆれ、名画座には懐かしい日本映画のポスターが微笑んでいます。
 そう、何となく懐かしい場所、そんな所にウルトラマンさんはでーんと立って、辺りをうかがっています。「競馬がないと行き交う人が少ないなぁ」とでも思っているんでしょうか? それとも「私も着物を着て寄席の高座に出てみたい」と思っているでしょうか?だったら僕と漫才でもしませんかねぇ。それとも「懐かしいスポットに居るということは、私も既に懐かしい対象なのか・・・」とため息をついているかも知れませんね。さてと、これから何処へ旅に出ようかなぁ・・・

by go-go-shiosenbe | 2008-08-20 17:42 | 銀の輔旅日記'00~'06

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