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その25 目黒の巻 2001年4月

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某月某日某曜日  快晴

 今日は雀のお宿でも探そうと、目黒にやって来ました。大きなつづらも小さなつづらも魅力的ですけど、これからは竹の子ですよねぇ。八百屋さんに竹の子が並ぶと、あぁ夏もそう遠くないなぁって思います。地面を突き破ってメキメキ伸びてくるエネルギー、逞しいです。
 ビニールハウスや促成栽培、近頃じゃ世界中から野菜がやって来ますんで、季節感が台無し。一年中同じ物が食べられるもんだから、いつが旬だか全く分からなくなりました。個々の匂いや風味も、どことなく薄まっちゃいました。秋の王者松茸も、今や思わぬ国々から輸入されるでしょ。でも辛うじて生の竹の子は、その牙城を死守しているみたいです。短い毛が生えた茶色の皮をむくと独特の香りが広がり、あぁ野菜も植物だったんだって再確認します。
 ここは大通りからちょいと脇に入った一画。初めて来た時は、そりゃぁビックリしました。目黒に竹林ですもんね。ものの本によると江戸の昔は、目黒といえば良質の竹の子が採れることで有名な土地だったんですって。目黒でサンマなら知ってるけど、目黒の竹の子とは知りませんよ。そんなに広い場所じゃないけど、ヒューっと伸びた竹に囲まれて歩くのは、気分の良いものです。ピーカンで眩しい日射しをうまいこと遮ってくれるし、風が吹くとさわさわと葉っぱ同志が音を立てます。地面に目をやると、竹の子というより竹の少年が、力強く空に向かって伸びようとしています。
 その光景を素晴らしいと思うか勿体ないと思うか・・・こっそり竹の子堀りに来る人もいるだろうね。僕はどっちかな? 近くに住んでいなくて良かった良かった。それじゃ足を伸ばしてお不動様をお参りして、さて、これから何処へ旅に出ようかなぁ・・・
 

by go-go-shiosenbe | 2008-08-20 17:46 | 銀の輔旅日記'00~'06

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